最後に

Schola(スカラ)は、私自身が長年温めてきた構想の実現です。初めて料理人になった時のことは、今でも鮮明に想い出します。勢いで飛び込んだのは良いものの、人よりも10年遅く始めた料理の世界でどうやったら周りに追いつけるか、プロの世界でどうやったら私のような中途半端者が戦っていけるのか、真剣に考えていました。

結果的には先述の通り、数年という短い期間でフランス料理を身につけることが出来たわけですが、それは高い調理技術を持っていた先輩方と、かなり恵まれた環境によるものだったと思います。つまりは運が良かった。

しかし、おそらくこれから修業する多くの方が、このような恵まれた環境には巡り会えないことは実感として分かっています。良い環境がないのなら、だったら理想的な環境を作ったらいいじゃないか?まさにその一心でした。

料理は結局、突き詰めれば科学現象。レシピには全て意味があるし、仕組みを理解して正しく学べば誰にでも出来ることだと確信しています。お店の運営だって同じことです。正しい知識を得て、繰り返し練習すれば、かなりの人が高いレベルで実現できることだと思っています。

現在、まだ若い人たちには料理の修業の道は開かれていると思います。若ければ多少きついこともこなせるし、時間がかかっても社会勉強をしながら技術を身につけられるでしょう。しかし、もうそろそろ若くない方々には、ほぼノーチャンスなのが現実です。私は今年44歳になりましたが、今からあの時のように修業しろと言われたら、正直自信がありません。

だからこそ、Schola(スカラ)なのです。むやみに修業するのではなく、きちんと体系立てた仕組みの中で飲食現場を学べば、まったく遅いと思いません。セカンドキャリアとして、イチから飲食を学ぶことは出来るのです。むしろ社会人経験が豊富な方々が技術さえ身につければ、若い人にはできない深みのあるサービスを提供することが出来ます。そこには無限の可能性があると思っています。

日本政府は、地方を活性化させ、観光大国になることを国策として進めています。食は観光のキーコンテンツです。和食に限らず、日本の食のクオリティは世界トップレベルであり、世界中から注目を集めています。飲食業界はまだまだこれから面白くなっていきます。

Schola(スカラ)から全国に皆さんの夢が広がることを、夢見て。
未来の料理人と、新たな挑戦へ。

 

2023年9月吉日

プロジェクト実行者
シェフクリエイト 代表
日吉 瑞己